「しおりの広場」トップページ > 岩波文庫のしおり図鑑 > 全体分類表
岩波文庫・新書しおり図鑑 しおりリスト (全体リスト) 2018.12.29作成 cacao86
岩波文庫と岩波新書に添えられた「しおり」のリストです。
岩波文庫と岩波新書は、1970年5月に、これまでの「スピン(ひも)のしおり」をやめて、紙製のしおりが挿入されました。
それ以来、今日(編集時・2018年末)まで40年ちかく、さまざまな「しおり」が挿入されてきました。
紙製の「しおり」になって、最初、岩波文庫と岩波新書は、別の種類のしおりが発行されていました。
それが、1991年をもって、ほぼ統合されて、文庫も新書も同種のしおりになりました。
ここでは、
(1)岩波文庫のしおり 1970年~1997年まで
(2)岩波新書のしおり 1970年~2018年まで
うち、文庫と新書に共通したデザインのしおり 1992年~1997年までと
文庫と新書に同じしおり 1997年~2018現在
の順番にリストしてゆきます。
さらに、
・全体の分類表
・写真入りの「しおり図鑑」
・「しおりの専門カタログ」
の順に作成、アップしてゆきます。
全体の分類表
(1)岩波文庫 のしおりリスト 1970年~1997年までとその後の「文庫サイズ」のしおり
この時期のしおりは、
・文庫のしおりサイズ 45ミリ × 135ミリ でいわゆる「文庫サイズ」で、全部に共通です。
・紙質や紙の色については 厚紙と普通紙、台紙の色が、白紙(普通紙)、クリーム色の紙、黄色紙 など
・「おもて」については、文庫に収録された挿絵(全62種類)を基本として
価格表記が星(★と☆)でなされたもの、定価の有無、著者別分類番号が付記されたものなど、
・「うら」について
印刷のないもの、広告が描かれたもの、「広辞苑によれば」のシリーズ など、
発行の時期によって、それら特色(の組み合わせ)で、大分類でき、さらに、図案や、広告の種類・刷色によるちがい、テキストのちがいなどで
細分類が可能です。
それぞれ、発行の順番に、リストしてゆきます。 (なお、一部、シリーズごとの発行の順番が明確でなく、
いろいろな資料からの推定を含みます。また「シリーズ」は正式に発表されたものではなく、便宜上。編者がつけているものです。以下も同様)
先に、全体の流れと、主な特色を比較した「全体図」を示します。
最初は、なんのことかわかりにくいのですが、順を追って読み進めて分類してゆくと、よく理解できます。
あとで、ここに戻ってくると、分類が楽しくできるようになる(はず)です。
1-1 最初期の「文庫しおり」 おもて 挿絵 価格表示 ★(黒星)による うら 印刷なし というような特徴を表にまとめると、以下のようになります。
分類 番号 |
推定年代 | おもての意匠 | 価格表記 | 紙質 | 著者別 番号 |
うらの広告など | 特記事項など | |||||
年代 | おもての意匠 | 黒 星 |
白 星 |
星 なし |
白 紙 |
ク リ ー ム 紙 |
著者別 番号 |
なし | 広告と種類 | うらの記述 | ||
01 | 1970 | 文庫作品の挿絵 | ★ | 〇 | 〇 | 厚紙・超厚紙あり 茶色逆刷りあり |
||||||
02 | 1975 | 文庫作品の挿絵 | ☆ | 〇 | 〇 | |||||||
03 | 1978 |
文庫作品の挿絵 | ☆ | 〇 | 鷗外選集 | |||||||
04 | 1979 | 文庫作品の挿絵 | ☆ | 〇 | 文庫選 | |||||||
04a | 1979+ | 石川淳選集 | 〇 | ドリトル先生 | 組み合わせ違いあり 代表例としてリストアップ |
|||||||
05 | 1981 | 文庫作品の挿絵 | 〇 | 〇 | 〇 | |||||||
06 | 1981 | 文庫作品の挿絵 | 〇 | 〇 | 〇 | |||||||
07 | 1983 | 文庫作品の挿絵 | 〇 | 〇 | 広辞苑3版 | |||||||
08 |
1984 | 文庫作品の挿絵 | 〇 | 〇 | 広辞苑3版 名入れ辞典 |
|||||||
09 | 1984 | 文庫作品の挿絵 | 〇 | 〇 | 〇あり | 広辞苑3版 名入れ辞典 |
||||||
10 | 1986 | 文庫作品の挿絵 | 〇 | 〇 | 〇あり | 国語辞典4版 | ||||||
11 | 1987 | 文庫作品の挿絵 | 〇 | 〇 | 〇あり | 岩波文庫総目録 | ||||||
12 | 1987 |
文庫作品の挿絵 | 〇 | 〇 | 〇あり | 漢語辞典 | 完成記念 特価 |
|||||
13 | 1987 | 文庫作品の挿絵 | 〇 | 〇 | 〇あり | 漢語辞典 | ||||||
14 | 1989 | 文庫作品の挿絵 | 〇 | 〇 | 〇あり | 漢語辞典 | 消費税 3%課税 |
|||||
15 | 1989 | 文庫作品の挿絵 | 〇 | 〇 | 〇あり | 現代用字辞典2版 | ||||||
16 | 1989 | 文庫作品の挿絵 | 〇 | 〇 | 〇あり | 現代用字辞典2版 | 消費税 3%課税 |
|||||
17 | 1990 | 文庫作品の挿絵 | 〇 | 〇 | 〇あり | 「広辞苑」によれば | 挿絵(新しいものもあり) | |||||
18 | 1991 | 文庫作品の挿絵 | 〇 | 〇 | 〇あり | 月刊「よむ」 | 挿絵(新しいものもあり) | |||||
19 | 1992 | 広辞苑4版箱入り | 〇 | 言葉散策 | 文庫サイズ・横45ミリ | |||||||
20 | 1992 | 広辞苑4版最新版 | 〇 | 言葉散策 | 文庫サイズ・横45ミリ | |||||||
21 | 1993 | 広辞苑4版最新版 | 〇 | 言葉の寄り道 | 文庫サイズ・横45ミリ | |||||||
22 | 1994 | 広辞苑4版最新版 | 〇 | 言葉の寄り道 | 文庫サイズ・横45ミリ | |||||||
23 | 1995 | 国語辞典5版 | 〇 | 広辞苑4版 | 文庫サイズ・横45ミリ | |||||||
24 | 1997 | 広辞苑4版最新版 | 〇 | 言葉の道草 | 文庫サイズ・横45ミリ | |||||||
推定年代 |
おもての意匠 |
星なし |
白紙 |
クリーム紙 |
著者別番号 |
なし 広告と種類 |
うらの記述 |
備考・特記事項 |
※「文庫サイズ」 = 45ミリ × 135ミリ 上の一覧表で、19~24 は 同様のしおりで「新書サイズ」( 48ミリ × 135ミリ)のものがある。
「新書サイズ」のものは、岩波文庫の新刊にも挿入されているが、逆に「文庫サイズ」は新書には見られず、文庫にのみ挿入されていたと考えられるので
「文庫サイズ」の 上記 19~24 は 「文庫のしおり」一覧に整理しています。
(2)岩波新書(独自)のしおり 1970年~1997年までとその後の共通のしおり
この時期の岩波新書のしおりの特色としては、当初、毎月、「新刊の案内」が掲載されて、原則、毎月発行されたことです。
1.おもての図案によって、創刊時からの「青いスプーン」もようと「新刊の書名」、うらに「今月の新刊の内容案内」
2.おもての図案が「本の知識」(全12種類を1種ずつ毎月順に) うらは「今月の新刊の内容案内」
が原則です。ですから、1970年5月から1989年12月までは
「おもて」の図案だけで大きく分類すると、「青いスプーン」(1種類)に「本の知識(全12種類)」の計13種類が基本になります。
(あくまで原則で、正式には、それに、例外的に別図案の数種類がくわわります)
その後、複数のしおりが一気に挿入されるのが、1990年の「広辞苑によれば」シリーズで、続いて、1991年のうら面が
「雑誌・よむ」の広告がはじまります。
「文庫」のしおりのときと同様、最初に「全体図」を示しておきます。「文庫」の分類よりも見かけは多いですが、
シリーズごとの比較さえきちんとできれば、意外とわかりやすく分類できると思います。
番号 | 推定年代 | おもての意匠 | 記述 | うらの意匠 | 備考 |
01 | 1970.6~ | 青版表紙とランプ | 新刊案内(最新刊) | 文庫サイズ(よこ45ミリ) | |
02 | 1978.4~ | 本の知識シリーズ(1~12) | 新刊案内(黄版)) | 新書サイズ(よこ48ミリ)以下すべて | |
03 | 1988.1~ | 本の知識シリーズ(1~12) | 新刊案内(新赤版) | ||
04 | 1990 | 本の知識シリーズ(1~12) | 広辞苑によれば(1~12) | 白紙 | |
05 | (4)のみ | 広辞苑によれば | 黄色紙 | ||
06 |
1991 | (5)~(10) | 月刊「よむ」 | 黄色紙 | |
07 | 1992 | 広辞苑(第四版)箱入り | 特別価格 | 言葉散策 | ※文庫(19)と類似デザイン |
08 | 広辞苑(第四版)最新版 | 言葉散策 | |||
09 | 1993 |
広辞苑(第四版)最新版 | 言葉の寄り道 | ||
10 | 1995 | 国語辞典五版 | 広辞苑四版 | ※文庫(23)と類似デザイン | |
11 | 広辞苑(第四版)最新版 | 言葉の道草 | |||
12 | 1997 | 岩波文庫解説総目録 | 言葉の道草 | これより後は「新書サイズ」であっても、 新書のみならず、文庫にも挿入されます。 |
|
13 | 広辞苑(第四版) | 言葉の道草 | |||
14 | 1998 | 世界人名辞典 | 哲学・思想事典 | ||
15 | 1998.11 | 広辞苑(第五版) | 特別価格 | 言葉の玉手箱 | |
16 | 1999~2004 | 広辞苑(第五版) | 言葉の玉手箱 | ||
17 | 2005~ | 広辞苑(第五版) | 信頼と実績 | 言葉の玉手箱 | |
18 | 2006.4 | 風神・新赤版表紙 | 新・新赤版1000点挨拶文 | ||
19 | 2007 | 育々事典 | 目次 | ||
20 | 2008.1~ | 広辞苑(第六版) | ことばには | 「広辞苑」を散歩する | |
2012 | 岩波書店100年 | (なし) | |||
2014.9~ | 岩波新書3000点 | 名著探訪 | |||
2015 | 広辞苑(第六版) | 刊行60年 | 「広辞苑」を散歩する | ||
2016 | 漱石全集 | 漱石クイズ | |||
2018 | 本の豆知識 | (なし) | |||
2018 | 広辞苑(第七版) | ことばは自由 | 「広辞苑」に遊ぶ | ||
番号 |
推定年代 |
おもての意匠 |
記述 |
うらの意匠 |
備考 |
01のしおりのみ「文庫サイズ」(よこ45ミリ)で、02以下はすべて「新書サイズ」(よこ48ミリ)
20以降は、現在調査中で、暫定リストです。
(3)文庫と新書に共通したしおり 1997年~2018年現在 この時期の「文庫サイズ」は(1)に 「新書サイズ」は(2)に収録
ここから、文庫と新書にまったく「おなじ」しおりが入ります。主に白紙で、サイズはだいたい「新書」のサイズで発行されましたが、これが新書だけでなく、
文庫にも入りました。つまり、(それまでの)「新書サイズ」のしおりが新書だけでなく、文庫にも入りました。
「新書」サイズであっても、「新書(だけ)のしおり」ではなく、文庫にも挿入されたわけです。(なお「文庫サイズ」のものも発行されていますが、これは「文庫」には入っていましたが、逆に、「文庫サイズ」のしおりが新書にも入っていたかは、確認できていません。よって(1)の「文庫のしおりリスト」に収録しました)
文庫と新書の独自性がなくなりました(つまり、区別ができなくなりました)ので、1992年からは、「広辞苑」の各版の広告が中心の図案になり、そのデザインや内容、
また「うら」では、シリーズのちがいがあり、それぞれ同一シリーズでも「ことば」のちがい(ひとつの「おもて」に対して19種類から20種類の「ことば」)があり、この細分類も楽しくなります。テキストのちがいは、大切なものになります。
なお、個別の解説でも示しますが、実は、最近・最新の2011年ごろから以降の時期が、意外に確定しずらく、あくまでも「仮の分類」という点だけは、ご承知ください。
●岩波ジュニア文庫のしおり 1978年~
岩波文庫と岩波新書に続いて、1978年に創刊され、当初は「ジュニア新書」独自の「しおり」が挿入されていました。
文庫や新書のしおりと共通のデザインも多く、いつしか(時期不詳)上記のものと共通のしおりが挿入され、
その後、ジュニア文庫・新書独自のデザインのしおりもあるようです。
ただ、収集している数が少なくて、まだまだ、全貌があきらかになっていない分野です。
「しおりの広場」トップページ > 岩波文庫のしおり図鑑 > 全体分類表