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●藤波 vs 長州
 「藤波、凄まじい気迫。逆ラリアートを決める」

▼WWFインターヘビー級選手権試合60分1本勝負
 1983年(昭和58年)7月7日 大阪・大阪府立体育会館

  ○長州(16分29秒・反則勝ち)藤波×
 ※長州がWWFインター・ヘビー級選手権の防衛に成功。





   

▼試合経過▼

チャレンジャーとして、先に入場の藤波、青コーナーにつく。たいして、チャンピオンとして後から入場してきた長州。しきりに藤波を挑発する。だが、藤波も気合が入っている。筋肉が躍動している。長州がベルトを片手にぶらさげるようにして、「とれるもんなら、とってみろ」というような、いかにも馬鹿にしたしぐさ。
だが、今日の藤波は違う。いつもの冷静な態度とはうってかわって、長州の挑発に、向かってゆこうとする。コミッショナーの宣言の後の新間氏の激励を受けて、一瞬冷静になったかに見えたが、また、長州のセコンドについた浜口に「じゃまだ、失せろ!」と激しい口調。藤波の隣には前田もつくが、藤波は、前田にも下がるように促す。場内から浜口に「帰れコール」がひびきわたる。ひきあげる浜口。二人の対戦に、セコンドはいらない。


試合開始。組み合って、張り手!藤波のすごい勢い。その直後、張り手から、いきなり腕ひしぎ逆十字をねらう藤波。長州がなんとかこらえる。長州が藤波の腕を決めた。するとこんどは、足ねらい。藤波が、めずらしいレッグブリーカーを決めた。

そして、足4の字固め。攻める藤波。最初は腕一本で藤波の足を押さえていたが、フックが外れて、がっちり決まる。苦しい長州。こんなに攻めのドラゴンは珍しい。
長州も、必死に4の字をかえす。長州も藤波をバックフリップで投げ、首投げから首4の字固め。得意の攻撃。すっくと返す藤波。
技の攻防もすごいが、なんといっても、両者の気迫がすさまじい。


とにかく積極的に攻める藤波。ロープに飛ばしてドロップキック。見事にきまった。ヘッドロック。長州がバックドロップをねらうも、足をフックして返させない藤波。しめあげる。動きがはやい。
だが、一瞬のすきを狙って、長州が藤波をバックドロップ。長州は、コーナーポストにのぼる。
すぐさま立ち上がった藤波は、コーナーの2段目にあがり、長州の身体を持ち上げて、雪崩式のブレーンバスター! これは、強烈に決まった。


あまりの衝撃にしばし動けない両者。
だが、気力を振り絞って立ち上がる。

ロープワークの一瞬をとらえて、いきなりの長州のラリアットが決まった。
倒れた藤波の両足をとって、すぐにサソリに入る長州。またまたいきなりのこの攻めを、必死に耐える藤波。文字通り「歯をくいしばって」強引にロープブレーク。
完全に決まったサソリを逃れた。
さらに、ロープの反動でのラリアートねらいの長州。だが、一瞬、はやく、藤波がラリアート! 
もんどりうって倒れる長州。これには場内おおさわぎ。
 古館「逆ラリアートだああ!」 
さらに、足を取ると、そのまま、こんどは、なんと!サソリ固めを決めた藤波。


これには、2度びっくりの大観衆。すかさず、大「ドラゴンコール」
ロープブレイクで一度は離すも、もういちど、サソリ固め。がっちりと決まった。
勝負があったか?
長州、なんとかロープに逃げた。しかし、レフェリーが「ブレーク」を命じても、離さない藤波。
「いいのか?いいのか?」高橋レフェリーが藤波の頭に手をかけて、何度も、藤波に確かめてから、
ついに「ファイブカウント」をとった。

ゴングがなって、藤波の反則負け。

しかし、サソリを離さない藤波。浜口がとびこんで、藤波にエルボー。だが、前田が阻止。
こんどは、戸口が飛び込んで前田を投げつけ、藤波にストンピング。戸口も長州の軍団に入ったのか?
 しかし、離さない藤波。
浜口が木村健吾に押さえられる。サソリをかけ続ける藤波。しぼりあげる。場内大歓声。
戸口と浜口がふたりがかりで、前田にボディースラム。とんでもない番外戦。永源や星野もリングに入る。木村健吾が、藤波を説得するも、首を振って、サソリをかけ続ける藤波。こんな藤波は珍しい。

藤波を説得するため坂口が近づく。だが、戸口がその坂口を投げ飛ばし、また前田も逆上。
若手もリングインして、戸口と浜口をとどめる。
坂口が説得して、ようやく技を解いた藤波。 場内に向かって、おおきく手をあげる。
「いいぞ〜〜」 大歓声。

歩くことができない長州。しきりに顔をしかめている。長時間、しかも予期していないサソリで絞めさげられ、ダメージが大きい。くやしさを、なにやら激しい口調で藤波に罵声を浴びせるも、レフェリーからベルトを受け取り、手を上げてもらうと、そのままリングを降りる長州。タイトルを防衛したが、アピールもなし。それどころか、歩くのもつらそう。戸口につきそわれた、久しぶりに見る長州よわよわしい姿。
リング上では藤波が「勝者の雄たけび」そして、長州に向けて「もう一回やって、次は取り返してやる!」


▼試合について▼

 結果は「反則負け」とはいえ、攻めに回ったときの藤波は強い。
 先回の試合では、徹底的に足を責められた藤波。今日は、腕ひしぎなど、意外な技で攻め込み。最後には、「ラリアート」そして「サソリ固め」まで見せた藤波。
 桜井さんは「精神的な闘いの段階に入った」と解説。
いわゆる「逆ラリアート」「逆サソリ」と、藤波の技が、長州を圧倒し、徹底的に攻めにまわった、藤波の勝負だった。

  猪木を欠いての、この日の大会。テレビ放映された試合を観戦していて、「ここちよい疲れ」を感じてしまうほど、今日は、手に汗握っての観戦だった。そして、藤波ファンとしては、一連の「名勝負数え歌」の中で、文句無くベスト・スリーに入る闘いといえるだろう。


ラバーソウルみなみ

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