藤波さんエピソード

少年時代の遊び「ガッチンコ」


おやじに隠れて
夜も魚とりしていた頃



川の中っていうのは、音がよく響くんですネ。石があるでしょう。その石を玄翁(げんのう)で叩くんです。
そうすると魚がぜんぜん傷つかないで浮いてくる。大分じゃ「ガッチンコ」っていう魚の捕り方なんですよ。

要するに衝撃波ってのか、魚が石を叩く音で脳震盪っを起こしちゃう。
そのかわり、ちょっと時間が経つと、すぐ生き返っちゃうんです。
だから浮いてきたら、サッと捕まえないとだめなんです。

ホント、魚捕りはよくやりましたねえ。夜の11時から12時頃、魚を捕りに行くのネ。
魚って夜になると寝るんですけど、見たことないでしょう? 夜は魚って、明るいところで浮いて寝てるんですよ。
だから面白いように捕まえられる。

だけど、夜中に魚捕りに行くのを見つかると、おやじに怒られる。一応長靴履いて出かけるんだけれど、
ズボンを濡らして帰ってきたときなんか、見つからないように、ソッと干しておきましたネ。



写真集「藤波辰巳」(1984年)より



ラバーソウルみなみ