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鶴田・藤波対談  ゴング1978年8月号


●鶴田選手の凱旋帰国第1戦を、後楽園に見に行きました。(藤波)

●アンドレは攻撃法がない、ドリーと2人がかりでもビクともしない(鶴田)
●大きい師匠の壁、でも、倒すなら相手が元気なうちに(藤波)
●馬場さん猪木さんが引退したら我々の世代の新しいプロレスが(鶴田)

●対談の時の記念写真
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本日は、日本プロレス界の次代をになう両選手にいろりおお話をうかがいたいとおもいます。(竹内編集長がインタビューアー)

藤波 よろしくお願いします。
鶴田 おてやわらかに。

まず、鶴田選手、藤波選手のファイトを見たことがありますか?

鶴田 自分たちは巡業が多いので、あまり他団体のテレビは見ないんですが、今年に入って藤波選手がロサンゼルスでやった試合を見ています。

・・・それならマスクド・カナディアン戦ですね。

藤波選手は鶴田選手の試合は

藤波 何回もありますよ。実際に試合場で見たこともあります。

・・・ホー、それはいうですか?

藤波 後楽園ホールで、鶴田選手がアメリカ遠征から帰国してすぐの頃でした。全日の佐藤昭夫選手に誘われて行ったんです。佐藤選手とは日本プロレスの同じ時期にいて仲がよかったんですよ。帰国したばかりの鶴田選手のファイトに興味がありました。

鶴田 その時の相手は誰でしたか?

藤波 ウーン、残念ながらそこまでは、でも確か帰国第1戦だったんではないですか?

・・・だったら鶴田選手の凱旋帰国第1戦、ムース・ムロウスキー戦です。48年10月6日。記念すべき第1戦を、藤波選手が見ていたんですね。

鶴田選手が、藤波選手の存在を知ったのはいつごろですか?

鶴田 これは古いですよ。47年10月の自分のプロレス入りの頃ですから。佐藤選手と同期ということもあって、名前だけは聞いていました。

・・・お二人が直接あったことはありますか?

鶴田 今日がはじめてだと思います。

藤波 自分もはじめてだと思います。

・・・50年1月の東京スポーツの「プロレス大賞」の時には両選手ともおられたと思うのですが、

その席上であっていませんか?

鶴田 ということは、

藤波 人間の記憶なんてあてになりませんね。(笑)

鶴田 同感です。一応顔をあわせているわけだ。でも、言葉は交わしてない。

藤波 はい、言葉をかわしていればおぼえてますからね。

・・・それぞれ、自分のファイトのどういう部分がファンの支持を得ていると思いますか?

鶴田 自分は、若さを全面に出したファイトだと思います。

藤波 自分は、よく、わかりません。でも、普通の技を使っただけでは身体の大きな人にかなうわけないので、ドラゴンロケットを使ったり・・・

・・・藤波選手、秋田大会では師弟対決が実現したわけですが、ずばりアントニオ猪木選手はどうでしたか?

藤波 練習では何度も組み合ったことがあるんですが、試合では「どうしても突っ込んでゆけない」ということを感じました。坂口さんとも闘って、トップレスラーの大きな壁を感じました。いい勉強になりました。

・・・鶴田選手は、馬場選手へのアタックも3回目ですが・・・

鶴田 うまく言えないんですが、どうしても馬場さんの前に立つと気後れしてしまうんですね。やはり十数年間日本プロレス界のメインエベンターとして君臨してきた実績とか、風格があります。

藤波 自分も同感です。本当に目に見えない圧力があるんですよ。

・・・では、今後の課題として、何年後くらいに師匠を倒したいですか?

藤波 来年にでも、という気持ちはありますが、実際には猪木さんだってそうはいかないでしょう。
ただ、どうせ倒すなら、相手が元気なうちに、こんなこと言っていいのかな。

鶴田 明日にでも、という気持ちはありますが、馬場さんが簡単に倒れてくれるとは思えませんからね。

・・・お互いに自分との違いはなんでしょうか?

藤波 一番に鶴田選手と違うのは、身体の大きさです。同じスープレックスでも、身体が大きいと、自分のとは違いますから。

鶴田 一番違うのは、年齢かな?(笑) まあ、身体の差ですね。

・・・好きなレスラーはだれですか? とくに精神面で好意を持っているレスラーは。

藤波 そうですねー。まあ、実力を出し切れないで蒸発してしまいましたが、カネックは人間的に本当にいいやつですね。できることなら再びカネックを日本に呼びたいです。あとは、オレイソン・ブラザースなんかいい人でしたね。

鶴田 ドリー、テリー、ハーリー(レイス)でしょうか。それとバックランドも修業時代の苦労仲間ですから。

・・・・強いな!と思ったレスラーは?

藤波 ゴッチさんやバックランド。組み合っただけで強さを感じます。猪木さん。

鶴田 トップクラスのひとはすべてですが、アンドレ・ザ・ジャイアントですね。バトルロイヤルで、自分とドリーとで二人がかりでアタックしたのですが、ビクともしなかった。(笑)

藤波 自分も今年、シングルで対戦しましたが(5月29日岡山大会・MSGシリーズ)、その大きさに完全に圧倒されました。

・・・共通の選手についてですが、マスカラス選手は対戦していますよね。

藤波 メキシコで4、5回対戦しました。身体が柔軟で動きがはやくてうまいですね。

鶴田 そうですね、何度となく対戦してますが「強さ」はあまり感じませんが、身軽な動きとシャープな技の切れが最高です。

・・・バックランドは。

藤波 MSGシリーズでタッグで対戦しました。若いけど強いですねえ。

鶴田 自分はバックランドとデビューが同じだったので、ヨレヨレのシャツ姿でハンバーグをかじりながら各地を転戦した思い出が強烈なんですよ。車を相乗りしたり、ギャラでビールを飲んだり。若手だったころは日本でも対戦してますが、成長してからはわかりません。成長した姿を身体で感じてみたいですね。

藤波 自分もマスカラスやドリー、テリーと闘ってみたいです。

・・・藤波選手は剛選手と闘うわけですが、鶴田選手なにかアドバイスを。

鶴田 去年の11月「全軍対抗戦」でタッグであたり、15分くらいで自分が剛選手からフォールを取りました。剛選手は突進してくる力はあるのですが、やや攻撃が単調ですね。一度ペースを崩せばなすすべがない感じですね。冷静に攻めれば藤波選手の勝ちですね。

藤波 自分は剛選手のファイトをテレビで一度もみたことがなかたんで不安だったんですが、いまのアドバイスで自信がつきました。(笑)

・・・お互いをライバルとして意識したことがありますか。

鶴田 ないですね。

藤波 自分もそうです。マスコミ方からは「次の目標は鶴田選手を追い抜くことだね」なんていわれますが・・・。

・・・鶴田・藤波時代がきたら、プロレス界の問題をどう解決してゆきますか。

藤波 まあ、猪木さんと馬場さんの問題は相当に複雑ですね。ただ、自分たちの世代には感情的なしこりが全くありませんから。

鶴田 何年かして馬場さんや猪木さんが引退したら、はじめて我々の世代になって、新しいプロレスがスタートするんじゃないでしょうか。

藤波 我々の時代になったらフェアな気持ちで対戦したいですね。その時をめざして、がんばってゆきます。

・・・今日はありがとうございました。


実は「鶴田・藤波の対談」は、かなり長く、さらに次期シリーズに参加するドスカラスについてや、それぞれのデビュー戦の思い出話、藤波のエストラーダ戦鶴田のテリーから1本取った時の「泣き顔」など、内容は多岐にわたっている。

正直なところ、「対談」というよりはインタビューをふたり同時に進行しているといった感じで、「藤波・鶴田の二人がそろって」話をしているということ自体に意義を見いだすべき企画である。

今から20年も前に実現していた「鶴田と藤波」の対談。
若い二人の将来への夢もうかがわれて面白い。


ゴング78年8月号の記事を元に、抜粋・要約・割愛・翻案(^^;)したものです。

もちろん引用にあたって、原文のニュアンスをくずすような失礼のないように留意しました。

               平成10年8月 作成  みなみ


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ラバーソウルみなみ